802_ヴィンテージ&インダストリアル
VINTAGE INDUSTRIAL DESIGN
素材感やフォルム重視で選ぶ家具や建具。経年変化で味わいを増した雰囲気。そっけないものの格好よさ。
● 時代を越えて受け継がれた味のあるものを選ぶ。古いものに愛すべき表情を見つける。
「ヴィンテージ」は元々、ワインや車、ジーンズやギターなどで、20〜30年前に作られており、古いことにより味わいが増したものについて言われる言葉でした。インテリアの「ヴィンテージ」と言いますと、年代もののヴィンテージ家具やこだわりの雑貨が並び「ラフで自由な雰囲気」に仕上げたお店やカフェのような空間を思い浮かべる方が多いかもしれません。古いものの味わいや佇まいを楽しむ発想の延長で、経年変化による劣化や汚れもポジティブにとらえながらコーディネートするわけですが、「古着の着こなし」と同様、「きたない・不快だ」と思われないためには、それなりの工夫や技が求められるものでした。例えば、廃材やデッドストックの生地を活かし、くだけた雰囲気を上手に出した店舗空間。古いものの味わいを新鮮に見せる工夫や技と、それを見て好感を抱く感性が、ヴィンテージ・スタイルの発端にあると言えそうです。
ヴィンテージ家具と聞くと、高い値段のついたものを思い浮かべませんか。
ソファやコーヒーテーブルなどで、ひと昔前によく使われた「デザインを復刻」しながら、いまの時代にあわせて製品化する。アイアンや木材、レザーやデニムなどの経年変化で味わいを増す「素材」を特別に採り入れたり、異素材を組み合わせたりする。どれも、作るのに手間ひまやコストをかけたものが少なくないのかもしれません。
無垢のフローリング材の中には、経年変化で色が濃くなり飴色(あめいろ)になったりするものがあります。お好みのヴィンテージ家具が似合うように部屋の仕様を決めてゆくのは楽しいものです。
年代もののモデルを模したソファやキャビネット収納に合うように、随所に「エイジング加工」を施して仕上げる手法もありますが、近年では、建築資材や建具・壁クロスの中に、経年変化を表現したものが多く出ていますので、例えば「新築戸建の住まいを、ヴィンテージの家具が似合うコーディネートで建てる」というようなリクエストもかなえやすくなっています。
● 飾らない無骨なものや、荒削りで整えてないものが醸し出す格好よさ。
「インダストリアル」は、工業的という意味です。工業化による無味乾燥なもの・無骨なものをただ使ったり、解体をした古家の躯体を、化粧仕上げをせず見える状態で使ったりなどしつつ、「暮らす」という機能を果たせるように工夫をしながら過ごすライフスタイルが発端となり、インテリアのジャンルで使われるようになりました。
手作りのデザインや人間的なデザインとの対比で、産業デザインを話題にする時も使われる「インダストリアル」。工業製品と言えば「画一的」で「無味乾燥」なものだと思われがちですが、工業製品にも、カタチや使い心地に愛着の出るものがあります。
インテリアのインダストリアル・スタイルは、どこか「DIY精神」のようなものと通じ合っています。
例えば、お気に入りの「フォルム」をもった照明器具やダイニングチェアとの出会いから、実現したいインテリアの雰囲気を具体的に思い描いてゆく。→ 知り合いの大工と建具職人と鉄職人に頼んで、テーブルや扉、棚などなんでもつくる。→ 古材や足場材を用いたフロア、使い込まれた壁、可愛らしさのかけらもない扉に、ありものの家具をあわせた、ただ「暮らす」ための住まい。けれども、帰宅してここに座って、この明かりをともせば、なにかしっくりとする、ほっとできる空間が生まれている。
「思い通りにならないところはそのままに。住めればよい。」
「ビターな色合いのコーディネートで、子どもがいても大人っぽいスタイル。」
「アイアンや木の素材感を大切にする。」
無造作なテイストを軸にしたコーディネートでは、ダークブラウンなどの濃い色やシルバーなどの無彩色、そして暗めのブルーやグリーンなどアースカラーを織り込んだビターな色合いのものが主流のようです。
男前インテリアという言葉と一緒に使われることもある「インダストリアル」なインテリア。
ヴィンテージもそうですが、モノのスタイルから派生し、「ライフスタイル」ともリンクしながら展開されるスタイルとして共感を誘います。
当社の建築実例の中で、ヴィンテージ感やインダストリアル感の感じられるものを集めました。
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設計コンセプトごとの目のつけどころの違いをショーケースのように楽しめる、「コンセプトハウス・ギャラリー」掲載。
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心ひかれる建築実例との出会いがありますように。